自炊はエンタメであると考えたら自炊のハードルが下がった

自炊はエンタメであると考えたら自炊のハードルが下がった

私は料理がそんなに好きではない。
面倒くさいからだ。

節約のためには自炊しなければならないと思う。
健康のためにも自炊しなければならないと思う。
あ、もう無理。面倒くさい。

結果、一人暮らしをする私の食卓にはインスタント食品やファストフードが増え、いつしか野菜が消えていた。
人には「健康は人生の最優先事項だ」と言い、サプリを買ったりもするくせに。
行動が矛盾している。

結果として、食事のせいだけではないと思うが、私は風邪を引いたうえに副鼻腔炎にもなった。
鼻詰まりで呼吸も苦しいし、体もだるい。
体調が悪いと「終わった」感が心から滲み出てきて、精神状態も沈んでいく。

そんな療養中のある日、ベッドでゴロゴロしながらスマホを見ていると、ふと目に入ったツイートがあった。@MitamaSakumaruさんのツイートだ。
https://x.com/MitamaSakumaru/status/1788155659831394344

このツイートをきっかけに、大勢の人々の自炊料理が次々と浮上してきた。
コスパ度外視、食べたいものを食べる!という欲望のままに作った料理、見栄えなんぞ無視した料理、ハマった作品に出てきたメニューを好奇心のままに作ってみた料理など。
見ているうちに愉快な気持ちが込み上げてきて、思わず口から笑い声が漏れた。

その後も、NHKドラマ『岸辺露伴は動かない』の「密猟海岸」をネット配信で見たり、SNSで話題の『ドカ食いダイスキ!もちづきさん』を読んだりして過ごした。
医者で処方された薬を飲み、家で1人大人しくしていると、体もちゃんと回復してくる。
体調が上向いてきたとき、ふと「料理を作ろうかな」と思い、八百屋でトマトやキュウリ、ブナシメジを買ってきて、全部一緒くたに炒めて「名もなき料理」を作って食べた。

翌日以降は『もちづきさん』で読んだ炊飯器ケチャップライスのオムライスを作ってみたり、余ったブナシメジとツナ缶と麺つゆで炊き込みごはんを作ってみたりした。
食感などにはまだ伸び代があるが、どれもアツアツのうちに頬張ると、我ながらなかなかおいしい。

炊き込みご飯のおかわりを茶碗によそいながら、自分は「節約」「健康」にとらわれて、自炊のハードルを自ら上げていたことに気づいた。

そのとき食べたいものや作ってみたいものを作る。
そうやって作った自炊メシは楽しいし、おいしい。

「自炊はエンタメ」
そう考えることで、料理に対する苦手意識が楽しい気持ちに変わってきた。
何か別のことをしながらも、ふとカレーが食べたいからカレー粉から作ってみようかなとか、ピーマンとひき肉を炒めたいなといったことを考えるようになった。

自炊が楽しくなってくれば、結果的に食費の節約にもつながっていくだろうし、今までの経験上、楽しいと感じたものは「どうすればもっとうまくなるかな?」とか「もっと良くなりたいな」とか、自分から工夫や上級レベルを求めるようになっていく。

だから私は、まずは「楽しい」を求めることにした。

さて、昼ご飯は昨日作った炊き込みごはんと野菜スープの残りで済ませるとして、夕ご飯はどうしようか…。
瓶で買ったキムチが開封してから時間経っちゃってるので、豚キムチかキムチ炒飯か…。
うーむ、何か食材を買うときは、3回程度で食べ切れる量にしとくべきだな。

Wrote this article この記事を書いた人

Sawako

元公務員フリーランス。日々模索中。好きなものは本とファンタジーと喫茶店とぶらぶら街歩き。仕事はWEBライティングを中心に、WEBメディア運営アシスタント・役者など。

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