【感想】アイマスクをつける朗読劇「バンク・パンク・パニック」を観劇しました

バンク・パンク・パニック

こんにちは。さわこです。

知人の舞台役者、平野雄介さん(@eichi555hh)が出演する朗読劇「バンク・パンク・パニック」を観に行きました。

いえ、正確には「聴きに行った」と言うべきでしょうか。

この朗読劇はアイマスクをつける鑑賞スタイルでした。
「舞台を観るのに視界をさえぎる」なんて話は初めて聞いたので、最初はちょっと驚きました。

「アイマスクをつけて芝居を鑑賞する」という物珍しさに興味を惹かれ、私は旅行用に買っておいたアイマスクをかばんに放り込み、劇場へ向かいました。
自前のアイマスクだと割引がきくとのことでしたし!

選んだのは、最前列の端っこの席。
前説明を聞いたあと、案内に従ってアイマスクを装着すると、一気に何も見えなくなります。
普段が視界に頼って生活しているぶん、視界をふさがれると自然と体が緊張して、聴覚や嗅覚が鋭くなったような気がします。

さて、朗読劇といえば、役者が客席の前にずらりと並んで台本を読み上げる姿を思い浮かべますが、この公演は全く違いました。

客席を含めた会場中すべてがステージでした。

物語は、とある銀行で強盗事件が発生するところから始まります。
緊迫した空気のなか、顧客や行員、強盗犯、警察など登場人物が抱えるそれぞれの事情が次第に明らかになっていくが…というストーリー。

観客であるこちらはアイマスクをしていて何も見えないぶん、視覚情報はすべて自分の頭の中で想像することになります。

全員で同じ物語を聴いていても一人ひとり違う風景を”見ている”のがユニークですし、ある意味では、一般的な芝居よりもリアリティを感じるかもしれません。

声や音だけ聞こえるという点ではラジオドラマやボイスドラマに似ていますが、大きく違うのは、役者が会場中を動き回っていたことです。

目を閉じていても、目の前を役者が走り抜けていったり、対峙していたりするのが感じられます。
私の隣の空いていたパイプ椅子に、途中で役者が座った気配もありました。

ただ読み上げられるセリフを聞くだけでなく、役者の息づかいや動くたびに起こる風を肌で感じることで、自分の前方にある舞台上の芝居を観るのとはまた違った臨場感を味わえました。

こうした形態の朗読劇は新鮮で、新しい体験でした。
朗読劇にこんなやり方があるのかと驚き、朗読ひとつとってもまだまだ工夫の余地があるのかも…と思わせられました。

ストーリーもひねりが効いていて面白かったです。
素直にまっすぐに進む物語かと思いきや、ちょっとピリッとしたラストには思わず笑顔になりました。

知人の平野さんの演技も相変わらずの抜群の安定感で素敵でした!
強盗の中田(役名)、このあとどうなっちゃうんだろう。他の行員たちも…。

楽しい時間でした。
役者の皆さま、スタッフの皆さま、関係者の皆さま、ありがとうございました。

公演情報(公式フライヤーから引用)

ライデンシャフト連続公演アイネクライネVol.5「バンク・パンク・パニック」
演期間:5月23日(木)〜26日(日)
会場:遊空間がざびぃ
脚本:小川彗 演出:青木淳高
公演時間:60分
あらすじ:舞台は銀行。そこには一日に様々な人々が行き交う。人の数だけ思いがあり、この朗読劇はその思いを描いた群像劇……かもしれない。

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